
尖っていない、特徴がない、ことが最大の特長。
近年で最も良質な改訂をしており、再び評価が一気に高まりました。
センター試験の第6問の長文読解は2007年まで物語文が出題されていましが、それに引き摺られて、改訂前ターゲットの中には、物語文特有の低出題頻度の難単語が散見され、受験界の潮流になりつつあった論説系長文読解に絶対に必要な論理マーカー単語(主に副詞)が大いに欠落していました。それが改訂によって逆転し、丁度、物語文特有単語が省かれ、論理マーカー単語がきっちり掲載されました。
2008年に大きな方向転換をして、現在まで一貫してセンター第6問は論説文が出題されています。早慶含めほとんどの私立でも国公立でも、現在は論説文が読解のほぼ全てを占めます(それは受験の正体とは「知識」と「論理的思考力」の2つを問うものだから)。
改訂版ターゲットは鬼に金棒です。
一語一義の徹底
また、一語一義を徹底しているところも非常に高評価です。受験において多義が必要な単語は正直言って多いです。
がしかし、最初から4つも5つも意味を覚えられる訳がありませんよ。一番大事な意味をまずはひとつ。それが前進です。辞書を引いて意味が10も20もある中から自分で考えていたら、日が暮れます。試験日がきます。
受験生(ましてや現役生)の時間は本当に限られている。だから効率や他科目のことまで含めてトータルで考えないアドバイスは、無責任であり無価値です。
有効な使い方は
SECTION 2までの1500語は受験英語の勉強を「開始」する時点で絶対にインプットしておきたい最小公倍数的存在として最も優秀な指標です。ここをを完璧にインプットすれば、センターレベル(マーク模試含む)の点数は劇的にアップするでしょう。
但し条件は、一語も漏らさずに、条件反射で意味が浮かぶまで完璧に入れ込むこと。その価値は大いにある。
初学者は、まずSECTION 2までを徹底的に反復して、完璧にするまではSECTION 3のことは忘れてください。
英語がセンターだけならば、受験戦略上、ここまでで単語を切って学習範囲を限定することもあります。
最後の400単語は、難関国公立や私立上位を狙うならば必ずやり通す。SECTION1,2をまず受験対策初期段階で制覇して、この部分は、英文解釈や長文読解初期と並行しながら、時間を置いてインプットするのもアリです。
出る順掲載、例文など必要な機能は全て揃っています。また、単語カード、音声CD、スマホアプリ、ゲームソフトなど派生が素晴らしい。単語の暗記が嫌いで本の形式がどうしてもダメだったが、アプリやカード版にしたら抵抗なくやり込む事が出来たなんてのは、現代っ子にはよくある事ですし、それは悪ではない。最終的に頭にインプットできるなら媒体は何でもいいのです。
注意点は
難点は、早慶及び国立最上位二次対策においては、物足りなさが残るかもしれないということ。どうしても編集上、必須の単語の掲載が見落とされていることもあること。
なので、ターゲットを一つの基準(絶対に合否を左右する最低限の1900個、覚えるか切るかの判断にする単語基準)としながら、日々の英文解釈や長文読解で、独自に補足していく別ルートのインプットを持つのが、最高効率ではないかと考えます。