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S&T式 参考書・問題集レビュー

山川の基礎固め問題集

歴史の教科書と言えば山川出版社、という感じも有りますが、山川の教科書で勉強する・した人は自学に取り組みやすい環境が整っています。それは山川出版社が、自社の教科書を併せて使うことを想定した参考書類を大量に出版しているからです。ですから、山川の教科書には山川の参考書、という感じで使うと、学校での勉強の進み方と同じように自学ができて、両方を上手く活用して効率的に勉強を進めることができる、かもしれません。今回紹介するのは、そんな山川出版社の参考書類の中でも、とても薄く、お手軽な内容の問題集です。

「30日完成」で何が完成するか

この問題集は「高校世界史の学習と並行して予習・復習を行なう」あるいは「世界史学習の総復習」を目的として編集されています。30章に分けられた内容は、各章毎に「重要ポイントのまとめ」と「チェック問題」の二本立てで構成されます。従って、まず重要ポイントを一通り読み、それが頭に入っているのかどうかをチェック問題で確認する。あるいはいきなりチェック問題に挑んで現状の自分の学力を把握する、といった使い方をすることになるでしょう。

1章のボリュームはわずか4ページ。問題は暗記できているかどうかを見るための文章穴埋め形式ですから、1章こなすには3-40分もあれば十分です。ではこれを30日こなすことで何が分かるかというと、今現在、世界史の頻出用語がどれだけ自分の頭に入っているのか、その状態です。

この問題集で問われているのは、あらゆる問題に挑む場合に前提知識として必ず頭に入っていないといけない、世界史学習の中でもコアとなる用語ばかりです。これが答えられない、正答率が8割もいかない、ということであれば、その先のステップの学習はまだ早い、ということになりますので、一旦後に戻って、基礎学習をやり直すべきでしょう。逆に特に問題なくできるようであれば、大学入試レベルの基礎は固まったと考えても良い。そうした「自己チェック」のための問題集として活用するのが良いのではないでしょうか。

限りなく無駄を省いたスリム設計

自分の世界史の基礎力はどの程度あるのか、それを目に見える形で測りたい、常にチェックできるようにしておきたい、という学習者は、一冊持っていても損はないでしょう。これが完璧に近い形でこなせるようになれば、センター試験で7割近く得点できる学力はついたと見て差し支えありません。

ただし、先述したように、この問題集の構成は圧縮された最小限の重要ポイントのまとめと問題で構成されています。ですから、回答できなかったとき、誤ったときにも、正解の語句は書かれていますが、突っ込んだ解説はありません。ですからもう少し弌から丁寧に説明を読みたい、あるいは正解したけれども関連事項についてもう少し肉付けしたい、深く知りたいと思っても、その要望に十分に応えてくれることは無いでしょう。

改めて注記しておきますが、あくまでこの問題集は基礎学力チェック用として機能します。誤解を恐れずに言えば一問一答が問題集の形式を採っているようなものです。したがって自分のレベルに適合した解説と知識を与えてくれる読本は、別に探す必要があります(山川出版社も自社の別の参考書・資料集と併せて利用することを推奨しています)。

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